ムゴット街道戦
ドラクル伯:
小僧に乗せられて
白昼堂々行軍を開始して
しまったな。
↓
まあこれも我々魔族の
定めかもしれん。
↓
遥か昔は、よくこうして
人間どもの願いを
聞き入れていたものだ。
↓
ところで、
今の王はどこに
捕らわれておるのだ?
・・・。
・・・。
・・・。
・・・。
↓
ドラクル伯:
なんだ?お前たち。
↓
そんなことも調べずに
ワシの元に
飛び込んで来たのか?
↓
思ったより頭の切れん
者どもだな・・・。
ミーウ:
申し訳ありません。
ただ、私たちも追われて
必死でしたので・・・。
ドラクル伯:
まあよい。
↓
それよりも
どうしたものかな・・・
ザバー:
・・・そんな心配、
無用のようですよ・・・
そのとおりだ
騎士:
我は王室親衛騎士団・
↓
ドラクル伯・・・
残念でなりません・・・
王室に牙をむくとは。
↓
それもこのような
フラチな輩に
そそのかされて・・・。
↓
あなたこそ我が王朝の
守護神たるお方と
存じていましたのに。
↓
我が名は
騎士団長ハイラル!
↓
尋常に勝負!
ロータス:
騎士団長様!違うのです
↓
我々はその王室の復権を
願い、挙兵しました。
↓
現在、国は宰相に操られ
国王は幽閉されていると
聞きました。
↓
私たちは、
野心とは無縁に平和な
生活をしてきましたのに
↓
宰相の手の者に
街を追われて・・・。
↓
ドラクル伯はそんな私達
に救いの手をさしのべて
くださったのです・・。
ハイラル:
フッ・・・。
誰がそんな戯れ言を
真に受けるか!
↓
おおかた、
ドラクル伯をたぶらかす
賊の一派か何かだろう。
↓
親衛騎士団の誇りに賭け
お前たち賊を
打ち滅ぼしてくれる!
↓
皆のもの!かかれ!
ザバー:
御曹司、どうやら
話し合いのテーブルは
用意されていないようだ
↓
ゆっくりと話ができる
ように取り巻きを
片づけて、
↓
ゆっくり団長様と
話をしましょう。
ハイラルとエンゲージ
ロータス:
お願いです、団長様。
我々の言うことに少し
耳を傾けて下さい。
ハイラル:
クッ、ここまで攻め
上がってくるとは・・・
ただ者ではないな。
ドラクル伯:
当たり前だ!
ワシの門番どもを
蹴ちらして、
↓
ワシに直訴しに
やってきた
ものどもだからな。
↓
・・・ワシはお前たちが
生まれる遥か以前から
人間を見てきている。
↓
馬鹿ではない・・・。
↓
彼らの言うことに少しは
耳を傾けてはどうだ!
・・・。
↓
王国に仇なすならば
とっくに私の首をはねて
いるだろうか・・・?
ミーウ:
ロータス、
うまく説明して
団長様を説得して!
ハイラル説得
ロータス:
団長様・・・
無礼をお許し下さい。
↓
私達の目的は先ほど
申し上げたように、幽閉
されていると噂の国王を
↓
解放し、以前のように
平和で安心して生活
できる国に戻す事です。
・・・。
それには団長様のお力が
必要なのです。
・・・。
わかった・・・。
↓
それが目的である事は
信じよう。それで・・・
私にどうしろというのだ
ロータス:
国王が幽閉されていそう
な場所を教えて頂きたく
思います。
ハイラル:
・・・私は今までも、
これからも国王のために
尽くしてゆくつもりだ。
↓
お前の言っている事が
本当だとすれば・・・。
↓
国王は王城の塔の
てっぺんに幽閉されて
いるに違いない。
↓
国王を運び出した形跡は
認められんし、私はずっ
と王城にいたのだからな
↓
宰相が台頭してからは
自由がきかなかったのだ
ドラクル伯:
そうか・・・
しかしどういうことだ?
↓
見た所、そなたも
『反宰相派』のようだが。
↓
なぜワシ達の
行く手を阻んだ?
ハイラル:
町人風情と魔族の一団が
蜂起すれば、だれでも
怪しく思う!
↓
だが、あなた達に真実が
ありそうだということが
わかった。
↓
できるだけの協力をする
↓
国王を助けるのが
騎士の役目だ・・・。
↓
ドラクル伯・・・。
数々のご無礼、
ご容赦頂きたい・・・。
ドラクル伯:
うむ。
ワシが魔族でなければ
切り捨てるところだが、
↓
人間どもにはワシが
怪しく見えて当然。
気にしてはおらん。
↓
それよりも、ロータス。
↓
これからの行き先が
決まったところで・・・
そなたに命ずる。
↓
そなたは、幽閉されて
いるであろう国王陛下を
宰相の手から救いだし、
↓
王政を復活させよ。
↓
よって、
騎士の称号を与える・・
ロータス:
は?
・・・。
ドラクル伯:
騎士に任ずる・・・。
この紋章を鎧に
縫い付けるがよい。
↓
ワシは爵位をもっておる
のでな。騎士への任命が
可能なのだ。
ロータス:
ははっ・・・。
ありがたき幸せ。
↓
私めは、命に代えても
必ず国王陛下を
救出いたします。
ザバー:
・・・すごい事になって
きたな。
↓
ついこの間は黒い騎士に
殺されかけたのに・・・
↓
今度は御曹司が
騎士様になるのか?
ミーウ:
すごいわ!ロータス。
大出世じゃない!
ドラクル伯:
とは言っても、これは
暫定処置だ。
↓
国王を助け出してから
改めて決めてもらうが
よかろう。
↓
さあ!目指すは王都だ!
先を急ぐぞ!
王都ミンドリア
王都ミンドリア
憲兵:
いったいどこに隠れた?
衛士:
我が王都に魔族の進入を
許すとは・・・
↓
ヴュッセル騎士団は
なにをしておるのだ?
憲兵:
ヴュッセル騎士団も
あの反乱分子の行く手を
探っているようだが、
↓
まさかこの王都に
潜入したとは思って
いなかったようだぞ。
衛士:
親衛騎士団の
ハイラル団長が敵方に
寝返ったそうだが・・・
↓
いったい
どうなっているのだ?
憲兵:
そのハイラルだが、
彼もここに紛れ込んだ
一団にいるらしい。
↓
お会いして
話を聞いてみたいものだ
ハイラル:
どうやら憲兵に
かぎつけられたようだ。
↓
ここから王城までは
まだずいぶんあるのだが。
ザバー:
打って出て、その後
王城めがけて
駆け抜けますか?
ロータス:
それは無理だ。王城には
ヴュッセル騎士団の精鋭
も駐屯しているだろうし
↓
この戦力では・・・。
いくらドラクル伯が
おられても・・・。
ドラクル伯:
意表を突けば
何とかなると思ったが
↓
このように
守備があつくては
どうにもならんな。
出直すか?
ミーウ:
しかし伯爵様・・・。
すでに囲まれて
逃げ道がありません。
↓
この路地から外に出れば
見つかってしまいます。
ドラクル伯:
ウム、仕方がない。外に
いる兵だけでも片づけて
一度この場を離れよう。
ハイラル:
・・・そうしましょう。
↓
我々の動きに察知されな
いように、別動隊を組織
する必要があります。
ロータス:
お心当たりが
ございますか?
ハイラル:
我が親衛騎士団の副団長
レンドルフの元へ行こう
↓
頭の固い男なので、
彼抜きえことを運ぼうと
思ったが、
こうなっては致し方ない
ザバー:
そう決まれば話は早い。
早速このミンドリアから
転進いたしましょう。
ハイラル:
そうだな。
実は城門の前に
地下道への入り口がある
↓
兵を集め、陽動作戦を
敷けば、そこまでたどり
着けるだろうからな。
ドラクル伯:
よし!それでは行くぞ!
よいな、ロータス!
ロータス:
はい!
マーチン山岳
マーチン山岳
ハイラル:
ここを登り切った所が
親衛騎士団の現在の
駐屯地だ。
ロータス:
ハイラル様。
ハイラル:
なんだ?ロータス。
ロータス:
なぜ親衛騎士団がこのよ
うに王都から離れた場所
に駐屯しているのですか
↓
これでは国王陛下の
一大事には間に合わない
かと思いますが・・・。
ハイラル:
そうだ。これは宰相から
の命で、この地に駐屯
しているのだ。
↓
王都は先日のように
ヴュッセル騎士団が守護
を任されておるのでな。
↓
私もいぶかしげに
感じながらも命に従った
のだが、
↓
お前や、ドラクル伯に
出会わなかったら、
いまだここに居ただろう。
↓
まあ、お前達に従ったの
には、前々から宰相には
不信感があったからだ。
↓
・・・さてレンドルフは
私の言う事を聞いてくれ
るであろうか?
ドラクル伯:
とにかく、見つかったら
戦いになる。できるだけ
犠牲を払わずに
↓
そのレンドルフの元に
ハイラルを
送り届けるのだ。
ロータス:
わかりました。
行くぞザバー!ミーウ!
ザバー:
わかりました、御曹司。
ミーウ:
ロータスも気をつけて。
レンドルフと隣接
レンドルフ:
ハイラル様・・・。
なぜ王国を裏切られた!
↓
あなたほどの忠臣は
おりませんでした。
↓
しかし、今となっては
逆賊。
ドラクル伯とならび、
国をたぶらかす売国奴。
↓
残念でなりませんが
・・・。
貴方をうちます!
ハイラル:
はやまるな!
レンドルフ!
↓
私はおまえと戦いに
来たのではない!
・・・。
それと、逆賊は私や
ドラクル伯ではなく、
王都にいる宰相だ!
・・・。
なにか確証が
あるのでございますか?
・・・。
↓
いや・・・。
ただ、その可能性が
高いと私が判断しただけ
だ。
・・・。
ハイラル様・・・。
↓
それでよいのです。
↓
私はなんども貴方様に
宰相殿の行いに
疑わしい部分があると
進言してまいりました。
↓
しかし貴方様は、
「確証がない」といわれ
御決断されなかった。
↓
民のくらしを見れば
わかります。
今の政治はおかしい!
・・・と。
私を気付かせてくれたの
は、ドラクル伯と
そこにいるパン屋の
せがれだ・・・。
↓
もっとも、現在は
ドラクル伯の騎士だが
・・・。
我々は新たな指示に
従います。そして、
ドラクル伯とそこにおわ
す騎士殿を敬愛します。
↓
元々我々は、陛下を
おまもりするのが勤め。
危機がふりかかれば
それをはらわねば。
レンドルフ・・・。
助かる・・・。
↓
しかし、まだ王室の危機
が真実とはかぎらない。
苦しい戦いになるぞ。
かつて楽な戦いが
ありましたでしょうか?
皆の意見は王室の危機の
可能性に賭けることで
↓
一致しております。
そうだったのか・・・。
本当に助かる・・・。
ドラクル伯:
よし、大勢は決した!
残すは王城潜入の
方法だけだな。
そのことですが、
やはり陽動作戦をしくし
かないと考えます。
レンドルフ:
察するに、私が別動隊を
ひきいて、宰相領「ザウ
バー」あたりをたたけば
↓
よろしいのではありませ
んか? ヴュッセルのバ
カどもは、あわてて追い
かけてくるでしょう。
ロータス:
宰相領であれば、
一般市民も少ないので、
良いですね。
ドラクル伯:
なるほど・・・。
決まりだな。
ハイラル:
ではレンドルフ、ヴュッ
セル騎士団をできるだけ
ひきつけて逃げてくれ。
↓
私たちは王都に向かう。
↓
死ぬなよ・・・。
レンドルフ。
レンドルフ:
団長も御無事で・・・。
城門
ハイラル:
さあ城門に
たどりついた。
ロータス:
ここまでは順調にこれま
したが・・・。
ミーウ:
どうやらここからは、
簡単には通して
くれなさそうね。
ドラクル伯:
いそいで地下通路をさが
すぞ。
王城はすぐそこだ!
地下道1
ロータス:
ここからは、一気に
かけぬけましょう!
ハイラル:
そうだ! グズグズして
いると、ヴュッセルが
もどって来る!
玄室
ロータス:
よし!
やっとここまで来た!
ななっ!なに者!
宰相:
フラチの者がおるぞ!
ヴュッセル騎士団は
なにをしておるのだ!
↓
だっ、だれでもよい!
あの者達をかたづけい!
ロータス:
・・・。
↓
あれが・・・。
宰相・・・?
ハイラル:
そうだ・・・。
ドラクル伯:
ロータス・・・。
終わらせるぞ。
はっ、はい。
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