ミンスター 会話集Vol.1 地下室~ドラクル伯御前

2021年1月28日木曜日

t f B! P L

地下室

バド:
 それじゃなにか?
 この圧政にただひたすら
 耐えろと・・・。
そういうことか?


カフー:
 いや!そうではない。
人間同士が殺しあっても
魔族の思うつぼだと
言っている。

バド:
 何を言っている!
 魔族など、とうに
 西の果てで朽ちたわ!
今、大切なことは
明日のパンを手に入れる
ことだろう。


マーカス:
 お前たち・・・
 そうではないぞ
魔族は朽ち果てても、
虎視眈々とわれらの動向を
うかがってもいない。
彼らはようやく安息の場
を見つけ、そこで静かに
暮らしているのだ。
ドラクル伯が反乱を
起こそうと思えば、とう
に起こしているだろう。
なにせ曽祖父さんの
頃からの話だからな。

バド:
 マーカスの親父さんよ・
 ・・。そんならあんたは
 どちらがいいと思う?
交戦か我慢か・・・。

・・・・・・。

マーカス:
 わしらに戦う力があると
 思うか?
宰相は国王陛下を幽閉し
ヴュッセル騎士団を掌握
しているのだぞ・・・。

・・・。

・・・。

ロータス:
 ・・・うちの隣に
身寄りのない兄弟が
住み着いてしまった・・
彼らは、特に雨の日など
ふるえながら
空腹に耐えている・・・
お互い肩を寄せて、
僕の家を恨めしそうに
見ているんだ・・・。
うちにも食料は
ほとんど無いのに。

バド:
 嘘をつけ!
 パン屋のせがれが!

ザバー:
 嘘ではないぞ!バド!
 御曹司は嘘などつかん!

ミーウ:
 そうよ、
 ロータスが言っている
 事は本当よ。
ムゴット街道が
ヴュッセル騎士団に占拠
されてから
ロータスの家では
パンを作ることが
できないの。
居候二人が言うんだから
間違いないわ。

マーカス:
 あと一月もたたない内に
 この街は死ぬな・・・。

バド:
 やっぱり待っていても
 仕方ない!
 俺は行くぜ!

どこへ行こうというのだ?

バド:
 誰だ!

誰だとはご挨拶だな。
わざわざ害虫駆除をしに
来てやったのに。

バド:
 貴様・・・!

マーカス:
 宰相の手のものだ!
 皆、早く逃げるのだ!

そうはいかんよ。

バド:
 クソ!なめるな!
 たった一人で!

ザバー:
 御曹司!
 ここは私に任せてください

ロータス:
 ザバー。
 大丈夫なのか?

ザバー:
 何とかしてみますよ。

~憲兵撃破~

ロータス:
 た、倒したのか・・・?

ザバー:
 御曹司、すぐここを
 離れましょう。
 長居は無用です。


~逃走成功~

ロータス:
 なんとか
 逃げきったか・・・。


ムゴット街道

憲兵撃破時

ロータス:
 ザバー。
 なんでお前、あんなに
 剣の腕が立つんだ?

ザバー:
 ・・・御曹司に拾われる
 前は傭兵をやっていた
 のでね。多少はね・・・。
それよりミーウが
いなければ、あの騎士は
倒せなかったでしょう。



ミーウ:
 この不思議な道具の
 おかげです。
 父の形見ですが。
どうやら魔族から
貰ったものらしいのですが

ロータス:
 魔族か・・・。

ザバー:
 いっそのこと
 ドラクル伯にでも
 会ってみますか?

・・・。

ロータス:
 そうだな。
騎士団に追われるか、
魔族に食われるか。
どちらも大して
変わらないか・・・。
よし!ドラクル伯の城に
行ってみよう。
たかが町人の僕たちに
会ってくれるか
分からないけど
なにもやらずに
死ぬよりはマシだ


逃亡時

ロータス:
 命からがら
 逃げおおせたな。

・・・。

ザバー:
 ・・・予想以上の
 プレッシャーでしたね。
私の傭兵を生業としてい
たことがあるので
わかるのですが、
ヴュッセル騎士団って奴は
とんでもない戦闘力を
持っている。

ミーウ:
 で、
 これからどうするの?
この街道は騎士団の
勢力圏だから、いつ
見つかるか分からないわ

ロータス:
 ドラクル伯のところへ
 行こう。

ザバー:
 は?
 御曹司!本気ですか?

ロータス:
 ああ。
ドラクル伯は先々代の王
に、いたく恩義を感じて
いると聞いたことがある。
宰相がのさばるこの
時代には、おそらく不満を
持っているだろう。
話次第では
力を貸してくれるかも
しれない。

ザバー:
 そうですか。
 御曹司がそう言うなら
 私もお供しますよ。
ミーウもそうだろ?

ミーウ:
 ええ、もちろん。
ロータスには一宿一飯の
恩義があるからね。

ザバー:
 そうと決まれば進路は
 西ですね。
 急ぎましょう。


ドラクル城

ザバー:
 恐ろしく
 張り詰めた空気だ。

・・・。

ミーウ:
 ロータス、
 大丈夫かしら?

ロータス:
 ・・・もう、すでに
 気付いているはずなの
 に、
誰も出てこないなんて。

なにヤツ!
我が城に無断で、
あまつさえ帯刀して
入るとは!

!!!

答えよ! なに用だ!

ロータス:
 わ、私たちは東から
 ドラクル伯を訪ねて
 やってきた市民です。

・・・。

ロータス:
 いま国では宰相が台頭し
 好き勝手を
 行っております。
国は荒れ、町の人々は
食べるのにも事欠き、
飢えて死ぬ者もおります


・・・。

ザバー:
 伯、是非ともあなた様の
 お力をお借りしたく
 参上いたしました。
つきましては城門を開け
我らの話を
聞いて頂きたく存じます。

人間風情が!
ワシの知った事か!

入りたくば、
勝手に入るがよい。

ただし、
入れればの話だがな!

ここは魔族の城だ!
我らの法に
従ってもらおう。

ドラクル伯御前

ドラクル伯:
 よくぞ門番どもを
 ねじ伏せて参った。
たかが人間風情が・・・。
して、宰相殿をワシに
どうしろと言うのだ?

ロータス:
 倒して頂きたいのです。

ドラクル伯:
 このワシにか?
なぜこのワシが
貴様らの国の宰相を
倒さねばならんのだ?
せっかく長い戦いを
終わらせ、
友好を結んだというのに

ミーウ:
 いえ、伯爵様。
私どもは人間と戦争を
おこして頂きたい訳では
ないのです。
どちらかと言えば
救っていただきたいと
思っているのです。

ドラクル伯:
 救うだと?

ロータス:
 はい。
 私たちは町人です。
ですから定かな事は
わかりかねますが・・・。
どうやら宰相は国王を
幽閉し、独裁恐怖政治を
始めたようなのです。

ドラクル伯:
 ほう・・・。
それで市民が困窮
していると言うことか?

ロータス:
 はい。さらに私たちは
 犯行を企てた者として
 追われる身でございます。
是非とも伯爵様の決起を
望みます。
このままではこの国は
再び暗黒の時代を迎え・
・・
人々のみならず、
伯爵様ご自身にも災厄が
及ぶものと思います。

ドラクル伯:
 なるほど・・・。
・・・。
時に・・・。
ワシが魔族にもかかわら
ず領地を与えられている
理由を知っておるか?

ロータス:
 はい。
 伝え聞いております。

ザバー:
 恐れながら申し上げます
我々は先々代の英断を
伯爵様が恩義に感じて
おられ、
王家の一大事であれば
お力を貸していただける
のではないかと・・・。
そのように考えた
所存にございます。

ドラクル伯:
 そうか。それでワシの所
 に救いを求めてきた訳か
なかなか頭が切れるな。
・・・。
良かろう。
兵を貸し出そう。
当然魔族だらけだがな。


ロータス:
 ほ、本当ですか?
 ありがとうございます!

ドラクル伯:
 ただし条件が2つある。
ワシは先々代の王に
義理があるからこそ、
その孫を助けに行くのだ。
宰相に幽閉されていると
いうことが虚言であると
わかった時点で・・・。
兵を引かせてもらう。
もうひとつは・・・。
ワシを軍団長として
参戦させることだ。

ロータス:
 それは願ってもない事
 です。是非とも
 お願いいたします。

ドラクル伯:
 受けた恩は自ら返さねば
 ならないからな。
さあ
ものども支度をせい!
久しぶりの戦いだ!
古のように我らが力を
人間どもに
思い知らせるのだ!


















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