地下室
バド:
それじゃなにか?
この圧政にただひたすら
耐えろと・・・。
↓
そういうことか?
カフー:
いや!そうではない。
↓
人間同士が殺しあっても
魔族の思うつぼだと
言っている。
バド:
何を言っている!
魔族など、とうに
西の果てで朽ちたわ!
↓
今、大切なことは
明日のパンを手に入れる
ことだろう。
マーカス:
お前たち・・・
そうではないぞ
↓
魔族は朽ち果てても、
虎視眈々とわれらの動向を
うかがってもいない。
↓
彼らはようやく安息の場
を見つけ、そこで静かに
暮らしているのだ。
↓
ドラクル伯が反乱を
起こそうと思えば、とう
に起こしているだろう。
↓
なにせ曽祖父さんの
頃からの話だからな。
バド:
マーカスの親父さんよ・
・・。そんならあんたは
どちらがいいと思う?
↓
交戦か我慢か・・・。
・・・・・・。
マーカス:
わしらに戦う力があると
思うか?
↓
宰相は国王陛下を幽閉し
ヴュッセル騎士団を掌握
しているのだぞ・・・。
・・・。
・・・。
ロータス:
・・・うちの隣に
身寄りのない兄弟が
住み着いてしまった・・
↓
彼らは、特に雨の日など
ふるえながら
空腹に耐えている・・・
↓
お互い肩を寄せて、
僕の家を恨めしそうに
見ているんだ・・・。
↓
うちにも食料は
ほとんど無いのに。
バド:
嘘をつけ!
パン屋のせがれが!
ザバー:
嘘ではないぞ!バド!
御曹司は嘘などつかん!
ミーウ:
そうよ、
ロータスが言っている
事は本当よ。
↓
ムゴット街道が
ヴュッセル騎士団に占拠
されてから
↓
ロータスの家では
パンを作ることが
できないの。
↓
居候二人が言うんだから
間違いないわ。
マーカス:
あと一月もたたない内に
この街は死ぬな・・・。
バド:
やっぱり待っていても
仕方ない!
俺は行くぜ!
どこへ行こうというのだ?
バド:
誰だ!
誰だとはご挨拶だな。
わざわざ害虫駆除をしに
来てやったのに。
バド:
貴様・・・!
マーカス:
宰相の手のものだ!
皆、早く逃げるのだ!
そうはいかんよ。
バド:
クソ!なめるな!
たった一人で!
ザバー:
御曹司!
ここは私に任せてください
ロータス:
ザバー。
大丈夫なのか?
ザバー:
何とかしてみますよ。
~憲兵撃破~
ロータス:
た、倒したのか・・・?
ザバー:
御曹司、すぐここを
離れましょう。
長居は無用です。
~逃走成功~
ロータス:
なんとか
逃げきったか・・・。
ムゴット街道
憲兵撃破時
ロータス:
ザバー。
なんでお前、あんなに
剣の腕が立つんだ?
ザバー:
・・・御曹司に拾われる
前は傭兵をやっていた
のでね。多少はね・・・。
↓
それよりミーウが
いなければ、あの騎士は
倒せなかったでしょう。
ミーウ:
この不思議な道具の
おかげです。
父の形見ですが。
↓
どうやら魔族から
貰ったものらしいのですが
ロータス:
魔族か・・・。
ザバー:
いっそのこと
ドラクル伯にでも
会ってみますか?
・・・。
ロータス:
そうだな。
↓
騎士団に追われるか、
魔族に食われるか。
↓
どちらも大して
変わらないか・・・。
↓
よし!ドラクル伯の城に
行ってみよう。
↓
たかが町人の僕たちに
会ってくれるか
分からないけど
↓
なにもやらずに
死ぬよりはマシだ
逃亡時
ロータス:
命からがら
逃げおおせたな。
・・・。
ザバー:
・・・予想以上の
プレッシャーでしたね。
↓
私の傭兵を生業としてい
たことがあるので
わかるのですが、
↓
ヴュッセル騎士団って奴は
とんでもない戦闘力を
持っている。
ミーウ:
で、
これからどうするの?
↓
この街道は騎士団の
勢力圏だから、いつ
見つかるか分からないわ
ロータス:
ドラクル伯のところへ
行こう。
ザバー:
は?
御曹司!本気ですか?
ロータス:
ああ。
↓
ドラクル伯は先々代の王
に、いたく恩義を感じて
いると聞いたことがある。
↓
宰相がのさばるこの
時代には、おそらく不満を
持っているだろう。
↓
話次第では
力を貸してくれるかも
しれない。
ザバー:
そうですか。
御曹司がそう言うなら
私もお供しますよ。
↓
ミーウもそうだろ?
ミーウ:
ええ、もちろん。
↓
ロータスには一宿一飯の
恩義があるからね。
ザバー:
そうと決まれば進路は
西ですね。
急ぎましょう。
ドラクル城
ザバー:
恐ろしく
張り詰めた空気だ。
・・・。
ミーウ:
ロータス、
大丈夫かしら?
ロータス:
・・・もう、すでに
気付いているはずなの
に、
↓
誰も出てこないなんて。
なにヤツ!
我が城に無断で、
あまつさえ帯刀して
入るとは!
!!!
答えよ! なに用だ!
ロータス:
わ、私たちは東から
ドラクル伯を訪ねて
やってきた市民です。
・・・。
ロータス:
いま国では宰相が台頭し
好き勝手を
行っております。
↓
国は荒れ、町の人々は
食べるのにも事欠き、
飢えて死ぬ者もおります
・・・。
ザバー:
伯、是非ともあなた様の
お力をお借りしたく
参上いたしました。
↓
つきましては城門を開け
我らの話を
聞いて頂きたく存じます。
人間風情が!
ワシの知った事か!
入りたくば、
勝手に入るがよい。
ただし、
入れればの話だがな!
ここは魔族の城だ!
我らの法に
従ってもらおう。
ドラクル伯御前
ドラクル伯:
よくぞ門番どもを
ねじ伏せて参った。
↓
たかが人間風情が・・・。
↓
して、宰相殿をワシに
どうしろと言うのだ?
ロータス:
倒して頂きたいのです。
ドラクル伯:
このワシにか?
↓
なぜこのワシが
貴様らの国の宰相を
倒さねばならんのだ?
↓
せっかく長い戦いを
終わらせ、
友好を結んだというのに
ミーウ:
いえ、伯爵様。
↓
私どもは人間と戦争を
おこして頂きたい訳では
ないのです。
↓
どちらかと言えば
救っていただきたいと
思っているのです。
ドラクル伯:
救うだと?
ロータス:
はい。
私たちは町人です。
↓
ですから定かな事は
わかりかねますが・・・。
↓
どうやら宰相は国王を
幽閉し、独裁恐怖政治を
始めたようなのです。
ドラクル伯:
ほう・・・。
↓
それで市民が困窮
していると言うことか?
ロータス:
はい。さらに私たちは
犯行を企てた者として
追われる身でございます。
↓
是非とも伯爵様の決起を
望みます。
↓
このままではこの国は
再び暗黒の時代を迎え・
・・
↓
人々のみならず、
伯爵様ご自身にも災厄が
及ぶものと思います。
ドラクル伯:
なるほど・・・。
↓
・・・。
↓
時に・・・。
↓
ワシが魔族にもかかわら
ず領地を与えられている
理由を知っておるか?
ロータス:
はい。
伝え聞いております。
ザバー:
恐れながら申し上げます
↓
我々は先々代の英断を
伯爵様が恩義に感じて
おられ、
↓
王家の一大事であれば
お力を貸していただける
のではないかと・・・。
↓
そのように考えた
所存にございます。
ドラクル伯:
そうか。それでワシの所
に救いを求めてきた訳か
↓
なかなか頭が切れるな。
↓
・・・。
↓
良かろう。
兵を貸し出そう。
↓
当然魔族だらけだがな。
ロータス:
ほ、本当ですか?
ありがとうございます!
ドラクル伯:
ただし条件が2つある。
↓
ワシは先々代の王に
義理があるからこそ、
その孫を助けに行くのだ。
↓
宰相に幽閉されていると
いうことが虚言であると
わかった時点で・・・。
↓
兵を引かせてもらう。
↓
もうひとつは・・・。
↓
ワシを軍団長として
参戦させることだ。
ロータス:
それは願ってもない事
です。是非とも
お願いいたします。
ドラクル伯:
受けた恩は自ら返さねば
ならないからな。
↓
さあ
ものども支度をせい!
↓
久しぶりの戦いだ!
↓
古のように我らが力を
人間どもに
思い知らせるのだ!
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